CAM オペレーターのしごと

Fundamental

どんな仕事?

名前の意味としては「CAM 」の「オペレータ」です。
ソフトウェアを使ってNC データという工作機械を動かすデータを作成します。

unimoni
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どんなデータを作成しているかは、

CAM とは」の記事を参考してもらえればイメージが湧くかなと思います。

記事の後半にデモムービーを置いておきました。
「CAM オペレータの仕事」についてのデモムービー

CAM オペレータは、ソフトウェアを使って加工経路を作成する仕事とか、機械で加工するためのプログラムを作成する仕事と紹介されていることが多いと思いますが、ソフトウェアを使ってパスを作成する事だけが、仕事ではありません。

場合によっては加工の中心に放り込まれますよ ^^

下記は基本的な仕事の流れを簡単に示したものですが、
見ていただくとわかるようにデータ作成は工程の中の一部で、もう一つ大事な役割を担っています。

(1)CAD データをもらう。(場合によって、図面を見て3次元データをにする。)
(2)加工する手順を考える。
(3)CAM を使って加工データを作成する。
(4)現場の担当者に加工の詳細を伝える。(指示書を作成する。)

ちょと大げさに言って、、、それは、「加工全体のマネジメント」です。

加工データを作るために「どうやって加工をするか?」という「プランニング」をしっかり行う必要があります。そして加工データを作るのは自分なので必然的にこの仕事を兼任することになります。

また、このプランニング良くないと加工した形状の精度がよくなかったり、形が間違っていたり、それ以前に工具が折れて加工ができない、加工するための材料固定できないなどトラブルが発生します。

加工ができることが前提で、精度、仕上がりがよく、
またスピーディで効率よく、、、と考えることが盛りだくさんです。

もちろん、CAM オペレータの仕事自体も技術職で大事な仕事になります。

慣れてくると、このプランニングの段階で、いかにCAM の仕事を減らすか?みたいなことも考えられるようになります。

仕事の内容

CAM オペレーターの仕事は製造業になりますが、製造をする為の準備段階の仕事になるので、基本デスクワークです。
一日中モニターをみるので、目が疲れますし、肩も凝ります^^。

CAM オペレーターは製造フェーズの起点に位置する仕事になりますので、やることが多いです。

加工の計画をたてる

加工の計画を立てます。
たいていの部品加工は一回で終わらず、段取り※を変えて加工をします。
※段取りとは、工作機械に材料をセットすることを言います。

下の絵で言うと、上からの加工と、下からの加工の2回が必要になります。

上から行う加工は3D 加工ですが、下からの加工は2D 加工なので、下からの 加工は寸法指示だけして、加工機のオペレーターに任せ、上からの3D 加工だけCAM で作成する。という様に仕事の振り分けをしていきます。

会社によっては、全部CAM で作って加工機のオペレータに提供すると、運用ルールを決めている場合もあります。
同じものを複数作る場合や、増産などで同じものの再発注が来たときに担当する加工者によって品質が違ったり、操作ミスによる失敗を避ける為などの理由からです。

場合によっては、段取り換えが必要なのに、固定が難しくなってしまうケースがあり、治具を設計したり、設計に影響のない範囲で回避策を考えたりします。

また、NC 加工機により切削が困難なケースがあります。

例えば、2ミリくらいしかない細いツールで深さが50 ミリくらいあるような個所を削る。などは基本無理です。
形状を見て、加工が難しそうなところを判断し、対策を講じておくのもCAM オペレータの仕事だと思います。

対策の例としては、
・加工する方向を変えて短いツールでも加工できるようにする。
・電極を設定する。
・形状そのものを見直ししてもらう。
などがあります。

CAM 操作に付帯するCAD 操作

CAM オペレーターの仕事では、3D CAD のオペレータも兼ねるというケースが多いのではないかと思います。

3D データはそれを作成するCAD ソフトがたくさんあり、データの受け渡しのために中間ファイルというものを使いますが、これがよくエラー(形状が正しく伝わらない)が起きます。
なので、客先からもらったデータの変換にエラーが出た場合にモデルデータの修正をするっていう仕事が増えます。

「加工図面」と言われるような材料の加工指示用の図面だったり、後工程の加工指示、加工用の治具の図面だったりを作成する場合もあると思います。

CAM オペレーターの仕事って、CAM を操作してNC データ作ればいいだけではなくて、加工全体がうまく行くように考えないといけないので、例えば部品加工では、素材の取り方から、加工の手順、仕上げの方法などを考えますし、金型の場合はワイヤー放電加工機や、形状電極加工も使うので、部品加工データに加えて、電極作成用のモデル、NC データ作成とやる事が盛りだくさんです(あくまでも職場による)。

また、最近はそんなこともないかもしれませんが、私がCAM オペレーターをしていたころは、3D 加工が必要なのに、紙の図面しかない場合、図面を見ながら3D モデルを作成するという仕事もセットになっていました。

2D 加工のデータは手入力でも作れますが、3D の加工データは3D モデルがないと作れませんからね。

金型業界のCAM オペレーターの場合、金型モデルを作るという仕事も発生しすると思います。
部品データは、設計の人が図面を作成する為に必要なので大抵は存在するのですが、金型データは必要ないので、仕事の発注う段階で作られているケースはまずありません。

そしてCAM オペレータがこのモデル作成を担うケースが多いと思います。
金型単位で担当制みたいな感じだと思います。

「CAM オペレータの仕事」についてのデモムービー

データ修正のデモ

客先からもらったデータの変換にエラーが出た場合にモデルデータの修正をするっていう仕事

3軸加工のデモ

3D 加工のデモムービーです。
CAM の雰囲気をつかんでもらえれば。

最後に切削シミュレーションを行っています。

5軸加工のデモ

5軸加工作成のデモムービーです。

3軸加工機では超絶困難な加工が作れます。


「やりがい」とか「つらいこと」とか

CAM オペレータのやりがいとは?と聞かれたら

達成感がある。

仕事の名前が横文字。

加工プランを立てている時なんかは楽しいですね。
難しい加工が上手く行ったらうれしい。

パソコンを常に触っていられて、ちょっとゲーム感覚でもあります。
システムのバージョンアップ時にはドキドキします。

(専門であれば)デスクワーク。

大きな工作機械を自在に動かすプログラムを作るという高揚感。

基本的には製造業なので自分が関わった製品を生活の中で見つけた時うれしいです。

CAM オペレータのつらいことは?と聞かれたら

製造現場において「起点」になるポジションなので、CAM オペレーターが遅れると、あとの仕事も遅れます。
よって、納期がない時なんかはスケジュールがキツくなります。

なんの仕事してるの?って聞かれた時に理解されにくいです。
大抵の場合、「CAD オペレータ」のイメージで設計者的な仕事と間違われます。

ミスった時のリカバリーが難しいです。加工前に気付いて修正できれば、ちょっとしたスケジュールの遅れで済みますが、最悪の場合、材料を購入するところからのやり直しです。

まとめ

やることは多いです。

簡単な仕事でもないですし、慣れるまでは毎晩夢に3D モデルが出てきてうなされます^^;

「加工のマネジメント」をしているっていうのがやっぱりこの仕事のやりがいで、
楽しいところだと思います。

世に出た製品にふとしたところで出会ったとき、うれしいを通り越して「なつかしさ」すら感じました。

「手に職」系の仕事であることは間違いないです。

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